仕事を切り替えられないリーダーは成果を出しにくい？
管理職やリーダーとして働くと、仕事とプライベートの境界線がどんどん曖昧になりがちです。「仕事を忘れるのは無責任」「常に考え続けるのがプロフェッショナル」そんな考えに縛られていませんか？しかし、最近の研究では「仕事を引きずるリーダーほどパフォーマンスが低下する」ことが明らかになっています。
仕事の切り替えができないと、慢性的なストレスが溜まり、判断力が鈍ります。結果として、部下への対応が雑になり、「疲れている上司」「余裕がないリーダー」と思われてしまうことも。では、なぜ仕事をオフにすることがリーダーにとって重要なのか？その理由と実践方法を詳しく見ていきましょう。
仕事を引きずらないリーダーほど成果を上げる理由
リーダーの生産性と仕事の切り替えの関係とは？
アメリカの心理学誌 Journal of Applied Psychology に掲載された研究では、「仕事を終えた後にオフモードに切り替えたリーダー」の方が、翌日のパフォーマンスが向上することが示されています。
研究の概要
- 対象者: 73名のリーダーと、その直属の部下
- 方法: 10日間にわたり、リーダーが前夜にどれだけ仕事を忘れられたかを記録し、翌朝のエネルギーレベルやリーダーシップの自覚を測定。部下にもリーダーのパフォーマンスを評価してもらった。
- 結果: 仕事を切り替えたリーダーは、翌朝エネルギッシュで、部下からの評価も高かった。一方で、仕事を引きずったリーダーは、朝の集中力が低下し、部下からの信頼感も下がる傾向にあった。
つまり、「仕事を考え続けること」が必ずしもリーダーとしての成果につながるわけではなく、むしろ逆効果になることがあるのです。
仕事を忘れることが成功を引き寄せる3つの理由
1. 判断力と意思決定の質が向上する
リーダーは日々、多くの意思決定を迫られます。そのため、脳が常に疲れている状態では、的確な判断が難しくなります。
例えば、Googleでは「マインドフルネス瞑想」を活用し、社員の集中力を高めるプログラムを実施しています。仕事とオフの時間を明確に分けることで、脳をリフレッシュさせ、より良い判断ができるようになるのです。
2. 部下の信頼を得られ、チームが活性化する
リーダーが疲れた顔をしていたり、余裕がなさそうな態度をとっていると、部下は相談しづらくなります。逆に、休息を取り、リフレッシュしているリーダーは「頼れる存在」として評価されやすいのです。
チームの士気を高めるためにも、リーダー自身が仕事を切り替え、余裕を持つことが重要です。
3. 創造性と新しいアイデアが生まれやすくなる
常に仕事のことを考えていると、視野が狭くなりがちです。一方、適度に仕事を忘れ、趣味やリラックスの時間を持つことで、新しいアイデアが生まれやすくなるのです。
実際、多くのビジネスリーダーが「革新的なアイデアは仕事から離れた瞬間に生まれる」と語っています。
仕事を切り替えるための具体的な習慣
1. スマホの通知をオフにする
- 仕事が終わったら、メールやチャットの通知をオフにすることで、自然と仕事から離れることができます。
- 設定例: 「夜20時以降は通知オフ」「週末は仕事用アプリを開かない」
2. 仕事以外の趣味や習慣を持つ
- スポーツ、読書、映画鑑賞、料理など、自分が楽しめる時間を意識的に確保しましょう。
- 例えば、Netflixのドラマを1話見る、毎朝30分散歩する、カフェで読書するなど、無理なく続けられるものがおすすめです。
3. 就寝前の「仕事デトックス」習慣を作る
- 夜、ベッドに入っても仕事のことを考えてしまうなら、「1日の振り返りメモ」を活用するのがおすすめ。
- 書き出すことで、頭の中を整理し、安心して眠れるようになります。
まとめ 「仕事を忘れる力」がリーダーの成功を決める
リーダーとして成果を出すためには、「仕事を考え続けること」が重要なのではなく、「いかに仕事を切り替え、リフレッシュできるか」が鍵になります。
「休むこと＝怠けること」ではなく、「休むこと＝より良いパフォーマンスを発揮するための戦略」と考え、今日から意識してみませんか？
もし「どうしても仕事を忘れられない」「オンオフの切り替えが難しい」と感じるなら、まずはスマホの通知をオフにすることから始めてみましょう。小さな習慣の積み重ねが、最終的に大きな成果を生むはずです。
